ようやく引っ越しが終わった。ツ・カ・レ・ター。本がいちばん大変だった。引っ越し屋さんにそうとう苦労させたようです。ちなみに引っ越しはプロレス運輸に頼みました。安かった。プロレスラーの卵が来るのかと思ったら、ふつうの若者たちでした。新米のお兄ちゃんは汗だらだらかいてしんどそうだった。
テーブルの上に積み上げられた本。
結局、翻訳した本の資料というのは、訳書が出た時点でもうほとんど不要なわけだからね。同じジャンルの翻訳はまずもう一度やらないだろうし。たとえば、オキーフ関連は二冊翻訳したけど、今後、オキーフの伝記を新たに出そうという出版社があるだろうか? まあ、もしあったら――そして私のところに翻訳の依頼があったら、もう一度、神保町のブックブラザー源喜堂さんで関連資料を集めてもらえばいいや、ということでほとんどを売った。
カポーティ関係もね。と思っていたら、『カポーティ』という伝記映画ができたんだって。『冷血』を書いていた当時のカポーティの生涯を描いて、犯罪者とそれをねたにして書く作家の真実の顔を辛辣に描く?映画だそうだ。このカポーティを誰が演じるかというと、あの(!)フィリップ・シーモア・ホフマンだというではないですか。
あの美少年のカポーティを! あの不細工なホフマンが! でも、でもすごく楽しみ。フィリップ・シーモア・ホフマン、初めて見たとき(『ブギーナイツ』)は正直、「キモい」なんてちょっと思ったんだけど、その後、見るたびに(『マグノリア』や『リプリー』や『オールモスト・フェイマス』や『ハンニバル』や)気になって気になって。結局、好きみたい。オスカーとるといいな。ついでにカポーティにも注目が集まって、新潮社で出した『カポーティ』が売れるといいな。まあ、いまさらながら私は幸いにも、とてもいい本を翻訳させてもらっているなーと思うのだった。引っ越しのせいか、妙に回顧的になるこのごろ。
空っぽになった書棚と、引き取りを待つ文庫本の山。

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