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November 26, 2005

古都春秋

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左・春の東大寺  右・秋の東大寺

このあいだ奈良へ行ってきた。友達と一緒だったので、よく食べ、よく飲んだのだが、観光もちゃんとしました。
今年は紅葉が遅かったらしく、ちょうど赤や黄色の紅葉がまだ散らずにいたので楽しめた。東大寺は大きくてよいのである。高いところにある二月堂から見ても、東大寺の伽藍が堂々とそびえている。金色のしびがまた素敵なのだ。

そういえば、前に行ったときは春で、桜がきれいだったっけ。そう思って、コンピューターのなかをかきまわし、前に行ったときの写真を見つけだした。奈良には桜がよく似合う。「あおによし奈良の都の八重桜今日九重に匂いぬるかも」

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左・夢殿の桜  右・吉野の西行庵

法隆寺の夢殿の庭に咲いていた枝垂れ桜も、まるで夢のようだった。夢殿だけに雰囲気がある。
でも、夢殿は移築されたそうだから、桜はあとで植えたんでしょうね。
春には中宮寺は山吹の花が満開だった。花がないと中宮寺はコンクリートの土台が目立ってちょっとね。

今回は吉野山まで足を伸ばして、西行庵まで行った。けっこうな山道で、登り下りがあり、息が切れたのだった。情けない話だが、帰ってきてから筋肉痛。

その吉野山の西行庵では紅葉がすばらしかった。これ、ワンルームなのである。大きな窓に障子や雨戸はあったのかな。それにトイレはどこにあるのだろう……と考えることが無粋である。水は湧き水があるんだけどね。

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左・法起寺の塔  右・法輪寺の塔

前には行きそびれた斑鳩の三塔――法輪寺と法起寺の三重の塔、それに法隆寺の塔を入れて三つ――も全部見られてラッキー。塔の背景の空は澄み切っていた。

「高校生のころ、『古寺巡礼』が好きでね」なんて話していて、その著者の名前がどうしても出てこない。東京に帰ってから、やっと思い出した――和辻哲郎。記憶力も筋肉痛と同じで、あとからやっと動きだす?

四季のある国はいいですね。

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November 14, 2005

水の中の携帯電話

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冬になったせいか、眠くてたまらない。そろそろ冬眠の準備だろうか。栄養はたっぷり、とか?
散歩に出かけて、川岸に写った自分のシルエットを撮影。


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朝食後、新聞を買うついでに新目白通りの近くまで散歩し、喫茶店でコーヒーを飲む。ところが、初めて入ったそこは料理も出す店で、モーニングサービスの卵焼きの匂いが……朝から蛋白質を加熱する匂いはあまり嬉しくない。注文したコーヒーにも茹で卵がついてきて(サービスらしい)、欲しくはなかったんだけど、残すのも悪いと思って、つい食べてしまった。ざっと朝刊を読んでから家に帰る。
帰り道で妙正寺川を覗いていたら(ヒマですね)、水中の藻にひっかかって、きらりと光るものが。

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形態からして携帯みたい、と思って、最大ズームで撮ってみた。
携帯電話じゃない?
目が悪いくせに、細かいところに目がいくのである。

家に帰って、読みかけのシリ・ハストヴェットの芸術論を読んでいたら、絵の細部を見ることについての記述があった。この本は「見ること」についての本といってもいい。「人間のあらゆる特質と同じく、見ることの能力も個人差がある」という。そのとおりだと思う。同じ絵を見ても、何を見るか、人によって違うのだ。
 
フェルメールの絵について、びっくりするようなことが書いてあった。おもしろい!

そういえば、ハストヴェットの小説第一作は「目かくし」というタイトルである(白水社刊)。ハストヴェットは作家のポール・オースターの奥さんだそうだ。「目かくし」は、貧乏暮らしの若くて美人の女子大生が、ニューヨークの町を舞台に、一種の地獄巡りを経験する物語である。地獄の案内人や住人が奇妙な姿で次々と登場し、主人公を翻弄する。現実と妄想とが絡みあって、主人公は偏頭痛に悩まされ、神経科に入院させられるが、そこでも不可解な人物と遭遇する。シルビア・プラスの「自殺志願」(ベルジャー)をちょっとだけ連想した。

「見ること」についていえば、この前から探し物ばかりしていて、ずっと引き出しをひっくりかえして「ない、ない」と探していたのが、その同じ場所で何かの下にあるのを発見したりする。見えているはずのものが、見えていない。不思議。これは京極夏彦の「姑獲鳥の夏」のテーマでもある。
「この世には不思議なものなど、なにひとつないのだよ、関口君」

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November 09, 2005

打率0.00

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翻訳一割の計算をしたあと、北野神社内、鳳神社の酉の市へ出かけてみた。


熊手がキッチュです。金色の大判小判がキラキラ光ってきれい。社務所で売っていたいちばん小さい「おかめ」付(1000円)を買った(買ったのは母であるが)。

商売繁盛のために、私も買っとけばよかったかな。

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買った人はお手玉のようなボールを的に当てるというゲーム(?)をやらせてくれる。1000円の熊手を買ったら2個くれた。母は力がないというので、私が投げることになった。こないだ日本シリーズで見てしびれた「潜水艦投法」で挑戦してみた。が、とんでもない非力で、的にあたるどころか、舞台に届くのがやっとなのだった。で、打率は0.00。もう少し筋力を鍛えないとだめだね。

写真の船の帆に丸い標的がある。巫女さんは舞台の床に散らばった玉を回収しているところ。

あれ? ピッチャーなのに「打率」ってのは変だね。

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一割

タイトルが唐突ですが、一割とは翻訳の進捗状況。訳し終わったページを全体ページ数で割った数字です。すくない! この調子だと、残りは毎日(ひとつき30日労働で)8ページやらないと終わらない!

まだ調子に乗らないですね。文章に慣れていない。しかし、学者の文章はまわりくどいなー。それに、専門用語にはたいてい定訳があるので、それを使わざるをえないのがつらい(使わないと、専門用語を知らずに誤訳したのかと思われて、書評で叩かれたりするからね!)繊細な(?)言語感覚からすると、漢字がずらずらと並ぶ訳語はいやなんだけどね。「近代経済成長」とか。「きんだいけいざいせいちょう、きんだいけいざいせいちょう」なんて繰り返していると、きれいな日本語とはとても思えないね。統計とか、成長率とか、分布とかの世界だからしかたがないけど。

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写真は散歩の途中で見かけた大銀杏。パパイヤ鈴木のアフロヘアーに見える。

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November 05, 2005

絵を見ること

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3日にも上野へ行ったのだが、また上野へ。こんどは都美術館でプーシキン美術館展。混んでいると聞いていたし、土曜日だし、天気もいいし、で、ぜったい混雑を予想していったのだが、そのとおり混みあっていた。
でも、絵はね、べつに見なくてもいいんです。有名な絵ばっかりだし、画集でも見ているし、いまここでまとめて見なくてもいい。
ほんとはモスクワへ行って美術館そのものを見たいのです。ロシア行ってみたいなー。エルミタージュも行きたいな。
絵を見るというのは、ざわざわと人にまぎれてじゃ、ちょっとね。面白かったのは、美術館の前や庭で記念写真を撮っている人がわりと大勢いたこと。という私もデジカメで写真を撮っていたんだけどね。

帰りに根津のカフェ・コパンに立ち寄る。

いま、シリ・ハストヴェットの絵画エッセイを読んでいるのだが、とても歯ごたえがあって、よくある「きれいなものが好き(ハート)」みたいなお気楽な文章とは一線を画している。とはいえ、むずかしすぎ!

都美術館のショップではマティスの金魚鉢がとても人気で、複製もたくさん売れてるみたいだった。私もゴッホ展(もう20年くらい前?)のポスターをずっとデスクの前に貼っていたんだけど、引っ越しのときに捨てたのでなにか新しいのを買おうかと思ったけど、金魚鉢はあまりによく売れているので、人と同じじゃねーと思って、やめ。いま目の前には友達が送ってくれた海外からの絵葉書や、展覧会の招待はがき、映画の試写会招待状などが貼ってある。パンダ課長もいるよ。

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November 03, 2005

さまよえるオランダ人

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文化の日に上野文化会館でワーグナーの楽劇『さまよえるオランダ人』を鑑賞。文化的な一日でした。
文化会館へ行くのは何年ぶりか。座席もトイレもきれいになっていたけど、舞台脇のレリーフ彫刻は変わっていなかった。

ワーグナーのオペラはとても好きなのである。が、体力的にきついのが難点。まあ、演奏したり歌ったりするのにくらべれば、聴くほうはずっと楽ではある。それでも何時間もかかるし、アリアも派手なところはないし、舞台転換もそれほど多くないしね。そのマンネリ、というか単調さを突き抜けたところに独特の昂揚感があるのだ。

「オランダ人」はワーグナーにしては短いんだけど、それでもちょっと長いと思う。
女の子たちが渋谷ギャルみたいな衣装・メークだった。見張り番も髪を「タンタン」風に突っ立たせている。
オランダ人も黒いロングコートにサングラスにアタッシェケースで、どこかの国のスパイみたいだった。
あと舞台が斜めになっているのが、見ている側としては歌手がコケやしないか、すべるんじゃないかと気になってしかたがない。不必要な斜めセットは見る側の心臓に悪いんじゃないかな。

私が見たなかでは、ホルスト・シュタイン指揮の「オランダ人」がとてもよかったと思う。日本人の合唱は声のトーンがそろっているせいか、とても統一感があってきれいなんだけど、その分、きちんとしすぎていて面白みがないという感じもする。船乗りと幽霊の合唱なんだから、もう少しはめをはずしてもいいような。

あと演出上ではオランダ人が不動なのに対して、ゼルダがちょこまか動きすぎじゃないかな?

ともあれ久しぶりのライブで楽しかったです(←夏休みの絵日記のようだね)。

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